統合失調症の治療薬として知られるエビリファイ。実はその他にも適用可能な症状があります。それはうつ病です。

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うつ病にも使えるエビリファイ

エビリファイという薬は、主に統合失調症への治療を目的に開発された非定型抗精神病薬ではありますが、それ以外にも「双極性障害における躁症状の改善」や、「児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」などの対応にも用いられています。

そして、「既存治療で十分な効果が認められない場合に限る」とされてはいますが、「うつ病・うつ状態」の症状に関しても、2013年ごろに改善が期待されると認められ、治療に用いられています。

これは「SSRI」や、「SNRI」といった、従来の抗うつ薬で治療している患者に対し、エビリファイもあわせて治療に用いてみる、といった具合です。

なぜうつ病にも効果がある?

もともとは、統合失調症の治療のために開発された薬であるエビリファイでしたが、うつ病にも効果が認められるとのことで近年使用され始め、その症状の改善に期待が寄せられています。

そもそもエビリファイは、統合失調症の治療の要となる、ドーパミンの量のコントロールに作用するところが大きい薬剤です。そのため、「ドパミン・システム・スタビライザー」とも呼ばれ、その点ばかりが注目されがちですが、それ以外にも着目すべき点があり、それがセロトニンへの作用効果だと言えます。

まず、うつ病というものは、統合失調症の陽性症状に見られるような、いわゆる「ハイ」な状態というか、興奮状態が引き起こすような症状とは逆に、「気分が沈む」「気分が落ち込みやすい」状態からあらわれるような症状が特徴です。

それらはすなわち、「何かをやろうとする意欲の低下」であったり、「何かに興味をもつ」といったことができなくなったり、原因もわからないけれども、「常に何らかの焦燥感や不安や悲しみを感じてしまう」状態だったりするほか、「食欲がなくなる」「眠れなくなる」といった、身体的な影響までもあらわれます。

そしてこれらは、セロトニンの量が不足しているがために引き起こされるものとして認知されており、セロトニン5-HT1Aといった受容体に影響を与え、その量をコントロールするこができるエビリファイは、その治療に有効とされたのです。

承認は2013年なので実績は十分

非定型抗精神病薬に分類されるアリピプラゾールは、日本においては2006年1月に、エビリファイという商品名で承認されました。開発したのは大塚製薬です。

当初こそ、統合失調症における治療方法に有効であるとして、その役目を果たしていたエビリファイですが、その後、日本において2012年には、「双極性障害における躁症状の改善」も期待されることとして、承認されるようになりました。

さらに2013年には、「うつ病・うつ状態」の治療にも有効である、との承認がなされています。これは「既存治療で十分な効果が認められない場合に限る」とのことで、「既存の薬剤治療に追加して補助的な治療方法に用いることができる」といった点が、日本初となっています。

うつ病への使い方

エビリファイは、その治療対象において、用量や用法が違います。

うつ病の場合ですが、まず最初の服用においては、成人で3mgとされています。そして、1日に1回ずつの経口投与となっていますが、朝の服用が推奨されているようです。

年齢や症状にもよって量を増減させられますが、増量幅は1日の量で3mgまでで、1日に限度とされているその最大用量は、15mgまでです。

なお、うつ病・うつ状態の治療におけるエビリファイの用法は、「既存治療で十分な効果が認められない場合に限る」とされているため、「選択的セロトニン再取り込み阻害剤、またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤などと併用する」よう定められています。それというのも、うつ病・うつ状態の治療においては、エビリファイは単独で使用したとしても、その有効性は認められていないから、というのが理由です。

そして用法上の注意としてですが、うつ病・うつ状態の患者は、漠然とした死への願望を持っていることが多くあります。自殺を企てるおそれを考慮し、自殺目的で服用されないように、必要以上の量を処方しないよう、注意が必要です。常に患者の様子に気をつけて、何か様子がおかしいなどの変化がないかなど、観察するようにしてください。

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